かっぱの日記帳

日常思ったことを綴る。備忘録。

MCPー緊急対応。

youtubeのニュースで救急対応の大会というものをフォーカスしていたので見てみた。

先の研修でmass causality の対応とシミュレーションもしたし、前回のミッションで12名の負傷者対応もしていたので、日本の医師、看護師、救命士、消防、警察はどのように動くのか、誰がどのように指揮をするのかすごく興味があった。

 

1チーム、6名だかで編成されている。医師、看護師、救命士2名づつかな? 

シミュレーションは1つは何か毒物を接種した患者の判断と措置。もう一つは秋葉原の通り魔事件を模倣したもの。

 

1つ目の場合は、先入観の怖さを見た。私は医師じゃないのでこういうのはやらないだろうけど、無意識のバイアスは勉強になった。あるチームは毒物を摂取したというので近くにあった薬瓶、直前に食べていた(「野菜炒め」の内容は聞かず)で薬物中毒と判断。野菜炒めだけで「何を」炒めたか聞かなかったのが判断の誤ちを招く。実はこの野菜炒めで毒のある植物を食べたことによる中毒症状であることが正解であった。なるほど〜。

 

秋葉原を模したものは、沿道のヤジ、すでに現場に到着している消防、通りがかりで手伝っている医療者、患者の付き添いなど多種多様な人間もいた。

どういう場合が想定されているのかも興味深かったが、患者が散乱しており、トリアージが済んでおらず、CPAを行う看護師、「黒」の患者の付き添いの対応、ヤジの怒号による冷静ではないピリピリした状況への対応などいろいろ。

この映像の後、本物の対応とそこで問題だったことを通りすがりで救助に参加した医師が何か記事を書いていてこちらも興味あった。

 

一番重要なのは誰がどのような指示を出すか、だ。日本の場合はどうやら緊急対応の(消防)司令所があるようだ(記事によると)。現場では救命士のルール(現場でできるだけのことをなるべく行う)と医療者のルール(現場では最低限で、なるべく早く搬送する)という違いなども指摘していた。

大規模災害(東日本大震災など)ではない限り、受け入れできる機関は生きている。秋葉原の場合は医療者のルールを優先するのがよさそうだった。

翻って私たちが行ったMCPの訓練では私の役割は付き添いで元気な人の役だったが、病院内から追い出されてしまったので何もせず。場合によっては、こういう「使えそうな人間」は使うべきということを学んだ。日本の場合は通りすがりの医師、看護師が一番役に立つだろう。クラウドコントロールは警官がやるし、まぁ、あまり用はないだろう。

 

あるチームは付き添いの願いを聞き入れてその場にとどまってしまって1人の患者に時間を取られてしまっていた。

他のチームの対応は、看護師が警察官にこの付き添いを任せて医療チームを別の現場に行かせようとしたり、あるチームは2チームに分かれて対応にあたっていたりと、対応がやはり違うなぁと。

 

全体の総評として言ってたのは「全体を把握する」ことの難しさとその大切さ。全体を把握し、トリアージを行い、助けられる命をなるべく多く短時間で助けるという救急の本質を、外で、しかも全体像がわかりにくい場所でするというのは大変。日本の医療は医師がリーダーのことが多いけど、医療者ではない人が指示を出すことの意味も考えてみた。

この大会を見たけど、全体的に若い人が多い印象だった。私はもう若くないので彼らよりはもう少し捌けないとまずいな笑

 

本当のMCPに遭遇すると、誰に何を聞いて、誰に何をどう指示するかが超重要。情報の共有を誰とどこまでするか、搬送先の確保などなどやることは多岐にわたる。

 

前回のMCPは幸いなことに医療スタッフが超優秀&シミュレーションをしていたことで色々ヒントをくれたし、彼が医療スタッフに迅速に指示を出し、私がその他のこと(搬送車の確保、その他スタッフへの連絡、上司への報告など)。医療コーディネーターにはあなたたちのプロジェクトで良かった(別のところだったら対応ができてなかったかも)と言われたのは嬉しかった。MCPが終わった後すぐに、反省点(その他スタッフへの情報共有、ロジへの指示出し、人員整理)などもシェアしたことから優秀な医療スタッフからも絶大な信頼をもらい、私自身も自信がついた。

 

役割分担を担いながら、チームで働くことで最大の効力を発揮するんだなぁ。MCP自体は緊張感のあるものではあったが、良い経験だった。

 

秋葉原のような状況の場合、さーてどこから手をつけるのが効率がいいのか…。こういう場合のコーディネーションは大変だなぁ…うーん。

 

ないほうがいいことではあるけど、あった時にどうするか、常に考えていたい。